
2026年度の診療報酬改定は、これまでの「訪問回数を稼ぐビジネスモデル」を完全に否定する内容となります。今後の介護経営で生き残るための要点を簡潔にまとめました。
制度の「適正化」という名のメス
「回数払い」から「包括評価(日額制)」へ
ホスピス型住宅等による過度な頻回訪問が是正され、難病・重症者への対応は「1日いくら」という定額制に移行します。
「ちょこっと訪問」の廃止
20分未満の訪問は算定不可、同一建物内での効率的な積み上げも厳格に制限され、報酬が大幅に減るリスクがあります。
医師・看護師への高いハードル
在宅医には「患者数制限」や「24時間対応」の重圧がかかり、地域のクリニックが「手軽に往診」することが難しくなります。
なぜ今「ナーシングホーム」なのか
制度が厳格化する中で、高機能な施設(ナーシングホーム)への転換は最大の防御であり攻めとなります。
収益の安定化
包括報酬(定額)下でも、施設内で効率的にケアを完結できるため、安定した利益率を確保できます。
医師からの信頼
24時間看護師が常駐し、ICTで連携できる施設は、負担の増えた医師にとって「最も優先して紹介したい連携先」になります。
重症者市場の独占
軽症者報酬が削られる一方、看取りや難病対応の評価は維持・強化されます。ここに対応できる施設こそが、地域の「勝ち組」となります。
制度の壁を、他社との差に変える
「回数」に頼る経営は終わりました。これからは看護計画の質と、医療インフラとしての機能が問われます。
※出典:高齢者住宅新聞

2026年6月の加算引き上げを「単なる賃上げ」で終わらせず、人材難を突破する「戦略的投資」に変えるための3つの要諦をまとめました。
「月給重視」へのシフトで採用力を強化
求職者は年収よりも「月次の手取り額」を重視します。 賞与(ボーナス)の一部を基本給や月次手当に振り分け、求人票の「見栄え」を劇的に改善する。
注意:業績悪化時の調整弁として、一定の賞与は維持しておくのが経営上のリスクヘッジ。
「メリハリ配分」で現場の穴を埋める
全員一律の分配は避け、経営課題(人手不足の急所)に資金を集中させます。補充が難しい「夜勤・シフト手当」の増額や、高齢化が進む「ケアマネ・看護職」へ重点配分し、定着を図る。
「評価連動」による人件費のコントロール
年功序列による自動昇給は、将来の経営を圧迫します。昇給ピッチは細かく設定し、大幅な昇給は「昇格・昇級」時のみとする。役職手当は「役職名」ではなく「部下の人数や責任の重さ」に応じて支給し、不公平感を解消する。
今回の改定は、給与体系を根本から作り直す絶好の機会です。加算を「ばらまき」にせず、「選ばれる職場」になるための原資として活用できるかが、経営者の手腕の見せ所となります。
※出典:高齢者住宅新聞