
政府は医療費適正化と高齢化社会への対応を目的として2008年度に開始した「病床転換助成事業」について、2030年度末まで延長する方針を示した。この制度は療養病床を介護医療院や介護施設などへ転換する際に補助を行うもの。これまでの利用は約600施設にとどまっていた。
今回の見直しでは、2030年度末以降の事業終了を視野に入れつつ、補助単価の大幅な引き上げが提示された。具体的には、病床の改修に対する補助は現行の50万円から120万円に、創設は100万円から240万円に、改築は120万円から300万円に引き上げを提示。
さらに支援対象も一般病床まで拡大される見通しだ。介護施設への転換を促進し、急速に進む高齢化に伴う介護ニーズに対応する狙いがある。
制度の利用が低迷している理由として「手続きが煩雑」「周知不足」「補助額が低すぎた」と改善を求める意見が相次いだが、申請数が伸びなかったのはタイミングの要素も大きい。地域ニーズの変化に沿った制度にする必要があるため、地域差への対応も重要な課題とされている。
転換先としては介護医療院や介護老人保健施設が中心となるが、グループホームなども選択肢に含まれており、地域ごとの介護施設の不足状況やニーズに応じた柔軟な運用が求められている。
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※参考:高齢者住宅新聞

介護業界では、業務目標をKPIなどで管理している会社が多く見られます。しかし、それだけでは「やらされ感」が強まり、職員は疲弊してしまいます。根本的な解決には、組織全体を見直す必要があります。
現代の介護業界は、顧客数や顧客満足アンケートの結果が施設の評価に直結し、業績が左右するようになりました。そのため、現場の管理職には今まで以上の営業活動が求められ、負担が増しています。
経営者は職員のやる気を引き出すために、PDCAサイクルやKPIによる数値管理を導入しますが、数値目標による管理は長続きしません。数字を達成すれば、次はさらに高い目標が設定され、それが繰り返されることでますます苦しくなり、成長もいずれ頭打ちになります。
顧客や家族のニーズを見ずに、会社の評価基準に沿った仕事だけを重視するようになります。また、KPIによって個人の数値目標が最優先されると、チームメンバーへの関心が薄れ、助け合いや連携が損なわれます。利用者や家族の喜びも後回しになりがちです。
持続的に成長するためには内面のやりがいや成長意欲、チームとの関係性こそが重要です。
設定したKPIが適切かどうか、管理ルールは整備されているか、定期的にKPIの達成度を評価し、改善を行うことが大切です。