グループホームの夜勤「2人で3ユニット」拡大へ/デイサービスの倒産、1~9月で過去最多

グループホームの夜勤「2人で3ユニット」拡大へ
人手不足のカギは「間取り」と「見守り機器」

■何が変わるの?
認知症グループホームの夜勤は、1ユニットごとに職員1人以上が原則です。例外として、3ユニットが同じ階に隣接し、すぐ駆けつけられる構造などの場合に限り、3ユニットを職員2人以上で見ることが認められています。

厚生労働省は10月9日、来年度の介護報酬改定に向けて、この例外を広げる案を示しました。

①同じ階で隣接する2ユニット+別の階の1ユニット
②同じ階で、隣接していない3ユニット

どちらも、見守り機器などで夜間の様子を把握し、すぐ対応できる体制が条件です。年内にも方向性が固まる見込みです。

■賛成と心配、両方の声
背景にあるのは、夜勤職員の確保とシフト調整の難しさです。特に夜間は、人が集まりにくい時間帯です。夜勤が1枠減れば、採用の負担も人件費も大きく変わります。

一方、審議会では「サービスの質や緊急時の対応力が下がる」「職員の負担が増える」といった心配の声も出ました。

つまり、緩和が決まっても、夜間に安全を守れる仕組みがあるかが問われます。人を減らしても目が届く建物かどうかが、これまで以上に大切になります。

同じ日には、1ユニットの事業所を対象に、ケアマネジャーの配置要件の見直し(複数事業所の兼務など)も提案されました。ケアマネジャーの確保が難しい中山間・人口減少地域などが念頭にあります。人手不足を前提に、ルールを変える動きが続いています。

■カギは「建物」にあります
今回の案で対象になるかどうかは、ユニットの配置と夜間の見守りの仕組みで決まります。

同じ3ユニットでも、階段やエレベーターの位置、職員の待機場所、ユニット間の扉の位置によって、夜間に駆けつけやすいかどうかは大きく変わります。見守り機器があっても、駆けつけるまでの距離が長ければ安心とはいえません。

たとえば2階建てで、1階に2ユニット・2階に1ユニットという配置は、案①の形に当てはまります。今の建物がどの形に近いかを確かめておけば、改定が決まってすぐに動けます。

■今からできる3つの備え
①見守り機器と通信環境
見守りセンサーやナースコールの連携、それを支えるWi-Fiや配線を整えます。職員が持つスマートフォンに通知が届けば、離れたユニットの様子もすぐわかります。

②ユニット間の動線の見直し
扉の位置や通路、夜勤者の待機場所を見直し、どのユニットにもすぐ行ける形にします。夜間の照明や扉の開け閉めの音も、利用者の眠りと職員の動きやすさに関わります。

③新築・増築は夜勤を前提に計画
これから建てるなら、夜勤の人数を想定してユニットの配置を決めることが大切です。

■個別相談受付中
弊社では、今の建物で何ができるかを、現地を拝見して整理します。見守り機器の配線や動線の改修、新築・増築の計画まで、お気軽にご相談ください。

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デイサービスの倒産、1~9月で過去最多
立て直しのカギは「お風呂」と「空き部屋」

■昨年1年分をすでに超える
東京商工リサーチによると、今年1~9月のデイサービス事業者の倒産は47件。前年同期より34.2%増え、同じ期間として過去最多になりました。昨年1年間の45件を、9月の時点で上回っています。

原因の多くは売上不振(37件)で、資本金1,000万円未満の小さな事業者が40件を占めます。そのほとんどが、事業をたたむ「破産」です。

利用者と職員の取り合い、人件費・食費・燃料費・水道光熱費の値上がりが重なり、「同じことを続けているだけでは苦しい」状況です。利用者に選ばれ、職員が集まる事業所であり続けるための手を打つ時期に来ています。

■入浴と送迎、見直し案が続々

明るい話題もあります。厚生労働省は10月14日、デイサービスの入浴介助加算の単価を引き上げる方向を示しました。水道光熱費などの値上がりを反映するためです。

上位の加算Ⅱは、利用者が自宅でも入浴できるよう支援する事業所を評価するもので、利用者宅の浴室を確かめる方法を、より柔軟に認める案も出ています。

同じ日には、迎えに行ってからの急なキャンセルを送迎減算の対象から外す案も示されました。通所リハビリでも同じ方向で検討されます。引き上げ幅などは、年内に大枠が固まる見込みです。

■自宅に近いお風呂が武器に
加算Ⅱでは、利用者の自宅に近い環境での入浴が求められます。大きな浴槽だけの施設なら、手すりや段差を自宅の浴室に近づけた個浴の整備が選択肢になります。

あわせて、給湯器や浴室を省エネ型に替えれば、値上がりが続く水道光熱費も抑えられます。

■空き部屋を地域の受診室に
2026年4月の医療法改正で、保健所に届け出た施設でもオンライン診療を受けられるようになりました。デイサービスでも、利用者以外の地域住民が受診できる場にできます。

相談室や空き時間の部屋も、遮音性のある間仕切りや通信環境を整えれば受診室に変わります。地域に知ってもらうことが、将来の利用者獲得にもつながります。

■障がい福祉は「質」で評価へ
高市首相は10月14日の衆議院予算委員会で、障がい福祉の報酬について、質の高い支援をする事業者に資源が回る見直しが「必要不可欠」と述べました。

物価・賃金の上昇の反映とあわせて、支援の質で差がつく仕組みが検討されます。グループホームでも、重度の方や高齢の方が安心して暮らせる住まいを整えることが、質の高い支援を続ける土台になります。

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